
リトグラフ版画家
浅井菜保子
松江市在中
火照命 (ほでりのみこと) は海佐知毘古 (うみさちびこ)(漁師) として大小の魚をとり、火遠理命 (ほおりのみこと) は山佐知毘古 (やまさちびこ)(猟師) として大小の獣をとっていた。火遠理命は兄の火照命に互いの道具の交換を提案した。火照命は三度断ったが、少しの間だけ交換することにした。火遠理命は兄の釣針 (海佐知) で魚を釣ろうとしたが 1 匹も釣れず、しかもその釣針を海の中になくしてしまった。兄の火照命も獲物をとることができず、「山佐知も己が佐知さち、海佐知も己が佐知さち (山の幸も海の幸も、自分の道具でなくては得られない)」と言って自分の道具を返してもらおうとした。火遠理命が釣針をなくしたと告げると、火照命は火遠理命を責め取り立てた。火遠理命は自分の十拳劔から 1000 の釣針を作ったが、火照命は「やはり元の釣針が欲しい」として受け取らなかった。
古事記
一海幸彦・山幸度一
今年の私が猫く「古事記」シリーズは海幸彦、山幸彦の物語の入口です。
釣り針をなくした後の物題は読きますが、その物語の舞台である山と海の美しさや生命力を絵にしました。
動植物が誕生し育つ土台「産土」
生命を謳歌する象徴「咲」
山彦なくした「釣り針」
海の生き物が動き続ける「どこかへ」