
切絵と文
第 1 場面
遠く嵩山を望むムラクモの隙間、一羽のトンビが「ピーヒョロロ」と鳴いて、大橋川上空を飛んでゆきます。
川に架かる松江大橋をカラコロと渡ると、柳をやわらかく揺らして、どこからか歌が聞こえてきます⋯。
「♪松江大橋 唐金擬宝珠」そう、あれは「松江夜曲」。
第 2 場面
タ暮れの宍道湖畔をゆけば、ぽっかり浮かぶ嫁が島。
お地蔵さまは、もう、どれほどこのタ日を眺めただろう。
堀川をゆけば、昔を思い出す。白鳥が漂い、蓮の花が
咲いていた。武家屋敷の横の坂の上には、かつてはそこに
「赤山の一中」と「二本松」があったっけな。
第 3 場面
松江で感じた「人情の優しさ」や、先人たちの軌跡に触れられたのは、すべて有難い「ご縁」のおかげ。堀尾吉晴公に松江武者達、鼕笛を吹いた石橋町一丁目の人達、
ヘルンさん、松平不昧公、山陰中央新報社の人達、
しまねっこ、石見神楽に芸北神楽、松江市の人達⋯。
第 4 場面
松江城山の椿。むかし、「椿谷コート」があったっけ。
大根島に咲く色とりどりの牡丹も見に行ったね。
どちらも松江市の花。
そういえば、白鳥はどこに行ったかな。
ご縁のまち、母のふるさと、「私の松江に「だんだん」